エコハウスは名前のとおりエコな住宅のことで、エコロジーハウスの略です。自然・再生可能エネルギーを、地域の気候風土や敷地の条件、ライフスタイルに合わせて最大限に活かしながら、無垢材や珪藻土など身近な地域にある自然素材を建材として使い、環境に負担をかけずに建てる家のことを言います。この記事では、エコハウスの基本的な考え方や、メリット・デメリットについて紹介していきます。
エコハウスとは
エコハウスとは、地域の気候風土や敷地の条件、ライフスタイルに応じて自然エネルギーが最大限に活かされ、環境に負担をかけない住宅であることが基本となります。加えて、建築の際は建材として身近に手に入る地域の材料を使うなど、地域の特色を活かした住宅であることもエコハウスの特徴であり、正確なエコハウスの基準は地域によって異なります。
エコハウスが注目される背景
現在エコハウスの普及が求められている背景には、地球温暖化に関する世界的な目標があります。2016年に発効したパリ協定においては、温室効果ガスの削減に世界的に取り組んでいくことが合意されており、日本も温室効果ガス削減に取り組んでいくことが求められています。エコハウスは省エネ化が進んでいる住宅であるため、エコハウスの普及は化石燃料の消費減少につながります。
エコハウスの3つのテーマと地域らしさ
先述のとおりエコハウスの基準は地域によって異なりますが、基本的な考え方として3つのテーマがあります。エコハウスはどの地域においても3つのテーマに沿っていることが共通する基準となり、それに加えて地域らしさが求められます。
1.環境基本性能を確保する
1つ目のテーマは環境基本性能を確保することで、具体的には以下の8つの項目が十分に実践されていることが条件となります。
1)断熱 2)気密 3)日射遮蔽 4)日射導入 5)蓄熱 6)通風 7)換気 8)自然素材
といったことが十分に理解され、実践されていることが基本になります。
一年を通して快適に生活できるよう住宅の基本性能を確保することで、快適な生活を手に入れることができるだけでなく、より少ないエネルギーで生活できるようになるため、省エネ効果も高まります。
2.再生可能エネルギーを活用する
2つ目のテーマは、再生可能エネルギーを活用することです。再生可能エネルギーは半永久的に繰り返し使用できる発電方法で生み出されたエネルギーのことで、太陽光発電や水力発電、バイオマス発電などによるエネルギーのことを言います。
生活に必要なエネルギーは再生可能エネルギーを最大限利用し、可能な限り化石燃料に頼らない生活の実現がエコハウスに求められます。
3.エコライフスタイルを実践する
3つ目のテーマは、エコライフスタイルを実践することです。核家族化が進んだことなどにより世帯数が増え、家庭で消費されるエネルギーの総量は増加しています。そのため、日除けのために草木を植える、暑い時は窓を開けるなど、身近なことから意識する必要があります。
住宅の性能や再生可能エネルギーを用いた発電設備だけでなく、住む人のライフスタイルにも、エコや省エネを意識した工夫が必要となります。
+α.地域らしさに合わせたエコハウスにする
ここまで紹介した3つのテーマに加えて、エコハウスは地域の気候風土、文化に根ざした、地域らしい住宅であることが大切です。その地域でとれる材料を用いる、地域の文化に合わせた工法にするなど、地域の特色を活かすことがエコハウスには求められます。
エコハウスのメリット
夏は涼しく、冬は暖かい快適な生活を送ることができる
環境基本性能を確保した住宅であるため断熱性が高く、夏は涼しく冬は温かい快適な住まいであることが1つ目のメリットです。断熱性や気密性が高い住宅は一般的に遮音性も高いため、音に気を遣わずストレスフリーな生活も可能になります。
光熱費を抑えることができる
1つ目のメリットと関連しますが、一般住宅に比べて冷暖房をあまり使わなくても快適に過ごすことができるため、光熱費の節約につながります。加えて、太陽光や風、水など再生可能エネルギーを利用して自家発電をする設備を設置することで、光熱費を抑えることができます。余った電気を売電することで収益を得ることも可能です。
二酸化炭素の排出を抑えることができ、環境にやさしい
住宅そのものの断熱性の高さや再生可能エネルギーの活用により、電気、ガス、灯油などの従来型エネルギーの消費量が減ります。そのため二酸化炭素の排出量が減少し、地球温暖化対策につながり、環境保護に貢献することができます。
エコハウスのデメリット
地域によって基準が異なるため、業者の選定が難しい
エコハウスの基準は全国一律ではなく地域によって異なる部分もあり、業者を見極めることがより重要になります。エコハウスには地域らしさも求められるため、単純に住宅について詳しいだけでなく、地域の特色についても熟知している業者が望ましいため、業者の選定のハードルは高くなります。
一般住宅よりコストが高い
エコハウスは一定以上の環境基本性能と再生可能エネルギーの活用が求められるため、通常の住宅と比べてコストが高くなります。しかし、エコハウスには補助金や助成金制度も用意されています。また、光熱費の節約や売電による収益などの経済効果も期待できるため、長期的に見ればコストが高くなるとは限りません。
まとめ
環境問題への意識が世界的に高まる中、注目されているエコハウス。
エコハウスは環境にやさしいだけでなく、私たちの快適な暮らしの実現に大きく貢献してくれます。これからマイホームを建てようとしている方は、エコハウスにすることを検討してみてはいかがでしょうか。