再生可能エネルギーで発電した電気を売電するためには申請が必要で、その手続きはやや煩雑です。しかし、電子申請で行うことによって比較的簡単に申請を行うことができます。電子申請のやり方を覚え、効率的に手続きを進める方法についてご紹介します。
避けては通れない売電のための申請
太陽光発電など、再生可能エネルギーで発電した電気を売電するためには申請が必要です。2017年4月に行われた固定価格買取制度改正以前は、太陽光発電設備の事業者が申請を行うことが一般的でしたが、改正以降は太陽光発電の購入者自身で行うことが必要になりました。
この申請には申請用紙の記入だけでなく、個人の場合は住民票、法人の場合は法人登記簿謄本などの書類の提出も求められ、煩雑に感じられることも少なくありません。
また、売電を続けるためには導入時だけでなく、運転の開始時や電力の増加時、定期報告など、導入後も何度か手続きを行う必要があります。その度に手書きで書類を用意して必要書類を郵送で送るのは、手間もコストもかかってしまいます。
そこで、申請手続きの手間を少しでも削減する方法を以下で紹介します。
売電の申請の手段
売電の申請の手段は、郵送による書面での申請と、Web上での電子申請の2通りです。必要な書類などに差はありませんが、手続きの煩雑さが異なります。
郵送
郵送の場合は、経済産業省のホームページから申請書をダウンロードし、記入したものを郵送します。その他必要書類の郵送も必要になり、手書きで記入する手間や、郵送する手間とコストがかかります。
電子申請
電子申請の場合、詳しくは後述しますが、太陽光発電システムの購入者がマイページにログインし、Web上で必要事項の入力や必要書類のアップロードを行います。申請書に手書きで記入する必要がなくなり、必要書類さえ用意すれば自宅で手続きが完結するため、郵送に比べて手間が少なくて済みます。
郵送による申請と電子申請を比較した場合、書類の印刷や郵送にかかるコストや記入の手間を削減できるため、電子申請がおすすめです。不備があって訂正が必要な場合も、郵送の方がやりとりに時間がかかります。
さらに前述のとおり、申請の手続きは導入以降も何度かあることも、電子申請をおすすめする理由です。一度電子申請に慣れてしまえば、その後の手続きの負担も軽減できます。以下で具体的な電子申請の流れを紹介しますので、ぜひ参考にしてチャレンジしてみてください。
売電の電子申請の流れ
ログインIDの取得
改正以降は申請手続きを発電設備の購入者が行うことになっていますが、現在も基本的な情報の登録は設備の販売業者が代行することもあります。その場合、このステップを設備の購入者自身で行う必要はなくなります。
購入者自身でログインIDの取得から行う場合、メールアドレスが必要です。メールアドレスを所持していない場合、新規で取得する必要があります。準備ができたら「再生可能エネルギー電子申請」のホームページより新規登録を行います。登録者が「個人」か「法人」かによってその後入力する内容が異なる点に注意しましょう。
申請情報を入力し、添付書類をアップロード
登録が完了しログインIDを入手したら、「再生可能エネルギー電子申請」のホームページにログインし、操作マニュアルを確認の上、以下の項目を入力していきます。
【事業者情報】
- 事業者自身が入力されていますか?(事業者本人が登録の場合は「本人」を選択)
- 発電設備の出力(kw)
【発電設備の設置場所に係る事項】
- 太陽光発電設備の設置形態(パネルの設置場所、設置場所の所有者を選択)
【太陽電池に係る事項】
- 太陽電池の合計出力(kW)
- 構造図(標準構造図と異なる場合は、申請する設備に係る構造図を様式に記載の上、書類を添付)
- 配線図(標準配線図 と異なる場合は、申請する設備に係る配線図を様式に記載の上、書類を添付)
- 配線方法(全量配線か余剰配線を選択)
他8項目
必須入力項目が15箇所ありますが、多くが選択式やチェックを入れる形となっているので、それほど時間がかからずに入力が行えます。
申請情報の入力を終えたら、添付書類をPDF、またはZIP形式でアップロードし、申請内容を登録します。
ホームページにはエネルギー毎に事業計画策定ガイドラインがPDF形式でアップロードされており、必ず確認するよう注意書きがあります。書類に不備があると、訂正・再提出が求められる可能性があり時間がかかるので、申請の際はガイドラインを必ず確認しましょう。
郵送による手続きの場合、記入した申請書と添付書類と返信用封筒を経済産業局へ送付します。郵送の場合、不備の対応も郵送でのやりとりになることが多いため、電子申請と比べて手間と時間がかかります。
確認メールより申請内容を確認→承諾
入力した申請内容に問題がないか、登録されているメールアドレスに確認のメールが送信されます。確認の上、承諾することで審査が開始します。
あくまで書類に不備がない場合ですが、申請から承認までの期間は、電子申請の場合およそ2~3ヶ月、郵送の場合は3~4ヶ月かかるといわれているため、余裕をもって申請を行いましょう。
まとめ
再生可能エネルギーで発電した電気を売電するためには申請手続きは避けて通れません。郵送による書面での手続きも可能ですが、電子申請で行うことで、より少ない手間で手続きが可能になります。
今回ご紹介したように、太陽光発電の申請は必要書類も多く、敷居が高く感じられることで敬遠されがちですが、一度、手順を理解してしまえば簡単に申請が行えるため、今後の手間を減らすためにもぜひ電子申請に挑戦してみてください。