失敗を防ぐための事前のシミュレーションのポイントとは

事前のシミュレーションは太陽光発電システムの導入において非常に重要です。シミュレーションが不十分な状態で導入してしまうと、予定通りの収益が出ず、赤字になってしまう可能性もあります。この記事ではシミュレーションについてのポイントを中心に紹介していきます。

太陽光発電におけるシミュレーションが重要な理由

「初期投資0円」など激安価格に惑わされて損をする

業者によっては太陽光発電システムの導入コストが相場と比べて異常に低いことがあり、激安価格に惹かれて導入した結果、損をしてしまうケースがあります。太陽光発電は経済的メリットを主な目的として導入されることも少なくないため、導入コストが低いことは大変魅力的に感じられるでしょう。

しかし、相場とかけ離れた安い金額での導入は、工事が粗悪である、システムが粗悪である、アフターフォローが不十分であるといったことが起こりがちです。再度工事を行う費用で結局高額になってしまったり、システムが粗悪なために十分な発電量が得られなかったりといったことが起こる危険があります。

このようなことを防ぐために、シミュレーションが重要です。事前に十分なシミュレーションを行っていればコストの相場を理解できるため、相場とかけ離れている場合に気づくことができます。安すぎる場合に加えて、高額すぎる場合への対応も可能になります。

将来性がありそうな気がして、見切り発車してしまう

再生可能エネルギーへの注目が高まっており、国としても再生可能エネルギーの比重をあげると言われていることから、将来性を感じて見切り発車的に導入してしまうケースがあります。

太陽光発電は日光の当たる時間等が影響してくるので、簡単なシミュレーションだけでは不十分です。例えば、雪が多い場合はその分発電量が減少し、周囲の高層ビルによって日光が遮られる場合も発電量は減少します。こういったことを考慮しないと、シミュレーションと実際の発電量との間に大幅な差が生じる原因になってしまいます。

太陽光発電におけるシミュレーションの種類

パネルメーカーの発電量計算ソフトによるシミュレーション

パネルメーカーでは、独自の計算ソフトを販売店に提供していることがあります。提供していない場合は、案件ごとに販売業者→メーカーまたは取扱商社に依頼して発電シミュレーションを提示します。

このシミュレーション方法のメリットは、ある程度信頼できる数値であることです。自社製品のシミュレーションのため、明確な根拠を持って数値が算出されている可能性が高いです。

デメリットは、メーカー間の比較がしにくい点です。シミュレーション上で発電量を多めに出していても気づくことができず、実際は予想より発電量が少ないといったことが起きてしまうことがあります。

パネルメーカー以外の発電量計算ソフトによるシミュレーション

発電量シミュレーション計算ソフトは、パネルメーカーだけではなく、ソフト開発会社からも販売されています。さまざまなメーカーを同条件で計算できるため、メーカー毎に比較しやすい点が大きなメリットです。

デメリットは、業者がソフトを使いこなせているとは限らないため、細かい条件の設定などを確認する必要があることです。

太陽光発電におけるシミュレーションのチェックポイント

周囲の建物や木の影による発電量の損失

太陽光発電システムは、ソーラーパネルが太陽の光を受けることで発電する仕組みであるため、パネルが太陽光をうまく受けられない場合、発電量が少なくなってしまいます。近くに高い建物や高い木によって太陽光が遮られてしまい、パネルに影ができてしまうケースなどが挙げられます。

シミュレーションを行う際は現地を確認し、周囲の建物や木により発電量が減少してしまうかどうかを考慮した方がよいでしょう。

方位角や斜面の向き

太陽光発電システムは傾斜のある地面に設置される場合もあります。太陽が真南にある正午に日射量が最も多くなるため、南向きの傾斜が最も発電効率が良いです。反対に北向きの傾斜は発電効率が悪くなります。

シミュレーションの際は斜面の向きを確認することも重要です。

維持費が考慮されているかどうか

太陽光発電のシミュレーションの際には、経年劣化による発電量低下や、保険やメンテナンスの費用といったランニングコストを考慮する必要があります。また、固定資産税もかかるため、税金も含めた維持費が考慮されているかどうかも、忘れてはいけないポイントです。

金利が考慮されているかどうか

太陽光発電は、多くの場合借り入れをされて導入されます。金融機関で借り入れをするのであれば、シミュレーションには金利が含まれているかどうかもチェックしましょう。

中には悪徳なシミュレーションも!騙されないためのチェックポイント

業者の中には、悪意を持って実際より多くの発電量が出るようなシミュレーションを出す業者もいます。本章では、悪徳なシミュレーションかどうかを確認するためのチェックポイントを紹介します。

前章のポイントが考慮されているかチェックする

前章の「シミュレーションのチェックポイント」が考慮されていないシミュレーションを鵜呑みにしてしまうと、予想よりも利益が出ないどころか赤字になってしまう可能性もあります。業者を見極める際も共通するチェックポイントです。

シミュレーションの根拠を知る

業者から出された発電シミュレーションの根拠を必ず確認しましょう。どのような計算方法で、どのような根拠に基づいているのかを確認することで、出された発電量の信憑性が十分であるかどうか判断できます。その計算方法に発電量の損失や維持費が含まれていない場合、信ぴょう性が低いと判断してよいでしょう。

まとめ

太陽光発電システム導入の際、十分なシミュレーションを行わないと期待通りの収益が出ず、赤字になってしまう可能性もあります。また、シミュレーションを行う業者の中には意図的に実際よりも高い収益性が出るよう計算する業者もあるため、注意が必要です。

しかし、この記事で紹介したチェックポイントをしっかり押さえてシミュレーションを行うことで、これらのリスクを減らすことができます。太陽光発電の導入には、副収入などのさまざまなメリットもあるため、正しくシミュレーションを行い、リスクを少しでもを防いだ上で導入しましょう。

太陽光発電無料見積・補助金申請代行「エコ活」