電力の自給自足「オフグリッド」とは

オフグリッドとは、電力会社に頼らずに電力を自給自足している状態であり、電気代の節約や緊急時の停電対策に効果を発揮しますが、その一方、電力会社から電気を買う場合に比べて電気の使用量に気を配る必要があります。また、いきなり全電力をオフグリッドにするのではなく、一部から始めていくこともできます。

オフグリッドとは送電網から独立した状態!

オフグリッドとは、電力会社から電力の供給を受けず、電力を自給自足している状態を指します。「グリッド」とは電力会社から各家庭に電気が送られる送電網を指しており、「オフグリッド」とはその送電網とつながっていない(オフ)状態です。

オフグリッドが注目される背景の一つは、東日本大震災をきっかけに自然災害対策の意識が高まっていることです。災害によって送電網が途絶えると電気が使えなくなり、従来通りの生活が困難になります。また、完全に途絶えないとしても、計画停電によって非常に不便な生活を強いられることもあります。

他の背景として、エネルギーへの関心が高まったことも挙げられます。東日本大震災以降、原子力発電を危険視する風潮が広がり、発電に用いるエネルギーについて見つめ直すきっかけになりました。また、再エネ賦課金の金額が上昇し続けており、再生可能エネルギーを用いて発電をすることを国も推進しています。

このような背景を基に、エネルギー、とりわけ再生可能エネルギーへの関心が高まり、オフグリッドが注目されるようになりました。完全にオフグリッドの生活にするためにはさまざまな発電設備が必要になり、費用も相応にかかってしまいますが、使用する電力の一部を自家発電でまかなうという、生活の一部にオフグリッドを取り入れることは比較的負担が少なく始めることが可能です。

「太陽光発電」を用いてオフグリッドを実現!

一般家庭でオフグリッドを実現する場合、再生可能エネルギーを用いた発電設備を導入するのが一般的です。電力の安定性や設置のしやすさ等を踏まえ、多くの人に「太陽光発電」が選ばれています。他にも、風力や水力などいくつかの再生可能エネルギーによる発電システムもありますが、発電量や設置のしやすさ、設置後のメンテナンスの観点から太陽光発電が採用されることが一般的です。

一例ですが、風力発電の場合、比較的コストは抑えられ、発電効率も風力発電の方がやや高いと言われています。しかし設置できる数に制限があったり、設置後に騒音などのトラブルが発生する可能性も少なくありません。

オフグリッドな生活を継続的に行うという点でいうと、太陽光発電システムの導入が現実的です。

オフグリッドのメリット

自分でコントロールできる電源が確保できる

オフグリッドの大きなメリットの一つは、電力会社から電気の供給が途絶えた時に非常電源という役割を果たすことです。自然災害の多い日本において、今後もインフラが止まり電気の供給が途絶えることは、想像に難くありません。その際に自分でコントロールできる電源を確保できるため、電気が全く使えない状態で生活することへの不安を和らげることにつながります。

電気代が安くなる

電力会社から電気を買わない分、それだけ電気代が削減できます。完全にオフグリッドな生活に切り替えることが可能な場合、そもそも電気代の請求書が届くこともなくなり、再エネ賦課金を支払う必要もなくなります。

エコにつながる

環境に優しく、エコにつながることもオフグリッドのメリットです。日本はエネルギー資源が少なく、石油や石炭などのエネルギー資源のほとんどを輸入でまかなっています。化石燃料は消費を続ければいずれはなくなるため、太陽光という枯渇しないエネルギーを活用する太陽光発電は、深刻化を続けるエネルギー資源問題の解決策の一つです。

また、太陽光発電はクリーンであることも大きな特徴で、発電の際に地球温暖化の原因とされている二酸化炭素(CO2)も発電時にはまったく排出しません。

オフグリッドの注意点

使用できる電力の量を自分で把握する必要がある

太陽光発電は日射量によって発電量が変わるため、太陽光発電の効率が落ちる時期は、蓄電池の残量を把握したり、節電したりする必要があります。好きなだけ電気を買える生活とは異なり、オフグリッド生活は、「家電を使うには何W必要か」「家電が何時間使えるか」「どの時間帯にどれだけ使っているか」を知らないと、電力が足りなくなる可能性があります。

特に全てをオフグリッドにした場合、梅雨などの太陽光が少ない時期には生活に必要な量の電気を作ることができない可能性があります。節電や、蓄電池の利用の必要があります。

オフグリッドの始め方

オフグリッドでいきなり全ての電力をまかなうためには、それなりに設備導入費用がかかります。そのため、オフグリッドを始めるのであれば、部分的に導入することをおすすめします。太陽光発電システムと蓄電池を導入すれば、停電時でも使える電源の確保ができ、経済的メリットも期待できます。

スマートフォンの充電や照明など、オフグリッドは小さなところからでも始めることができるため、徐々に取り入れていくことで導入コストの負担を減らすことができます。

まとめ

東日本大震災をはじめとした自然災害の影響で、人々のエネルギーへの関心が高まりました。特に再生可能エネルギーを活用して電力を自ら生成し、電力会社に依存せずに生活するオフグリッドに注目が集まっており、オフグリッドの導入には太陽光発電がポイントになります。

また、オフグリッドは予算に合わせて、小さなところから始めていくことも可能です。自然災害の多い日本では、自分でコントロールできる電源を確保することは有事への備えになるため、小さなことからでもチャレンジする価値はあります。

オフグリッドの割合にもよりますが、十分にオフグリッドな生活を送るためには、太陽光発電システムの導入が欠かせませんので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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